「寒い(さむい)ね」と話しかける(はなしかける)と「寒い(さむい)ね」と答える(こたえる)人(ひと)のいるあたたかさ

これは俵(たわら)万智(まち)の短歌(たんか)の一つ(ひとつ)である。短歌(たんか)は日本(にほん)の伝統(でんとう)的(てき)な詩(し)で、基本(きほん)的(てき)に五(ご)・七(なな)・五(ご)・七(なな)・七(なな)の三(さん)十(じゅう)一(いち)の音(おと)でできている。

俵(たわら)万智(まち)は現代(げんだい)の歌人(かじん)で、若い(わかい)人(ひと)にもとても人気(にんき)がある。

この歌(うた)は、私(わたし)がいちばん好き(すき)な歌(うた)だ。この歌(うた)で、俵(たわら)万智(まち)は、誰(だれ)かといっしょにいることの大切(たいせつ)さを歌っ(うたっ)ているのだと思う(おもう)。

俵(たわら)万智(まち)は、大学生(だいがくせい)のとき、故郷(こきょう)を離れ(はなれ)て東京(とうきょう)で生活(せいかつ)をした。この歌(うた)はそのときのことを言っ(いっ)ているのかもしれない。

「寒い(さむい)ね」と言う(いう)と「寒い(さむい)ね」と答える(こたえる)会話(かいわ)は、普通(ふつう)はとても簡単(かんたん)でつまらないと思う(おもう)かもしれない。でも、一人(ひとり)で生活(せいかつ)をするさびしさを知っ(しっ)ている人(ひと)は、そういう簡単(かんたん)な話(はなし)でも、誰(だれ)かとできることがとてもあたたかく、大切(たいせつ)だと思える(おもえる)のだろう。寒く(さむく)ても暖かい(あたたかい)のだ。確か(たしか)に、一人(ひとり)で生活(せいかつ)をすることは、自由(じゆう)もたくさんあるかわりに、時々(ときどき)、とてもさびしくて大変(たいへん)だと思う(おもう)。夜(よる)、誰(だれ)とも話さ(はなさ)ずに、一人(ひとり)でご飯(ごはん)を食べ(たべ)ているときなど、この歌(うた)を思い出さ(おもいださ)ずにはいられない。

一人(ひとり)で生活(せいかつ)すると、初めて(はじめて)、家族(かぞく)や友達(ともだち)などが本当に(ほんとうに)大切(たいせつ)なことがわかるのだと思う(おもう)。私(わたし)も今(いま)、一人(ひとり)で生活(せいかつ)していて、この歌(うた)の気持ち(きもち)がよくわかる。

参考(さんこう)）他(ほか)の俵(たわら)万智(まち)の短歌(たんか)

母(はは)の住む(すむ)国(くに)から降っ(ふっ)て来る(くる)雪(ゆき)のようなさびしさ 東京(とうきょう)にいる

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