折り紙(おりがみ)は日本(にほん)の伝統(でんとう)的(てき)な遊び(あそび)である。ほとんどの日本(にほん)人(じん)は少なくとも(すくなくとも)鶴(つる)の折り(おり)方(かた)は知っ(しっ)ている。

折り紙(おりがみ)がいつごろから作ら(つくら)れるようになったのかはよくわかっていない。しかし手紙(てがみ)の折り(おり)方(かた)や、紙(かみ)で物(もの)を包む(つつむ)ときの折り(おり)方(かた)などから折り紙(おりがみ)が始まっ(はじまっ)たことは想像(そうぞう)できるだろう。また、日本(にほん)独特(どくとく)の「和紙(わし)」も折り紙(おりがみ)の歴史(れきし)にとって大事(だいじ)である。なぜなら、和紙(わし)はとても丈夫(じょうぶ)で何(なん)回(かい)も折っ(おっ)たり広げ(ひろげ)たりしても破れ(やぶれ)なく、また、とても美しい(うつくしい)紙(かみ)だからである。和紙(わし)はもともと中国(ちゅうごく)で発明(はつめい)されたものであるが、日本(にほん)で作り方(つくりかた)や原料(げんりょう)が大きく(おおきく)変わっ(かわっ)た。

和紙(わし)が作り(つくり)始め(はじめ)られた奈良(なら)・平安(へいあん)時代(じだい)から、貴族(きぞく)社会(しゃかい)で、儀礼(ぎれい)や祭り(まつり)のときに、紙(かみ)を折っ(おっ)たり切っ(きっ)たりすることが始め(はじめ)られたと言わ(いわ)れている。また、和歌(わか)や手紙(てがみ)などの贈り物(おくりもの)の包み(つつみ)を折っ(おっ)て飾る(かざる)ことが流行(りゅうこう)したと言う(いう)。平安(へいあん)時代(じだい)の終わり(おわり)に、ある有名(ゆうめい)な歌人(かじん)が紙(かみ)で蛙(かえる)の形(かたち)を作り(つくり)、和歌(わか)をつけて人(ひと)に送っ(おくっ)た、という記録(きろく)もある。また鎌倉(かまくら)時代(じだい)にも、大事(だいじ)な贈り物(おくりもの)などに使う(つかう)紙(かみ)の折り(おり)方(かた)は、大切(たいせつ)なマナーであった。

しかし、このような習慣(しゅうかん)は少し(すこし)ずつ忘れ(わすれ)られてしまう。今(いま)の折り紙(おりがみ)は、むしろ江戸(えど)時代(じだい)の庶民(しょみん)の楽しみ(たのしみ)から来(き)ている。江戸(えど)時代(じだい)に庶民(しょみん)の文化(ぶんか)が発展(はってん)した。紙(かみ)は安く(やすく)なり、鶴(つる)や船(ふね)など、現代(げんだい)の人(ひと)がよく知っ(しっ)ている折り紙(おりがみ)も折ら(おら)れるようになった。また、服(ふく)の模様(もよう)として流行(りゅうこう)し、浮世絵(うきよえ)などにも描か(えがか)れるようになった。折り紙(おりがみ)は子供(こども)の遊び(あそび)であるだけではなく、大人(おとな)の楽しみ(たのしみ)でもあったので、複雑(ふくざつ)で折り(おり)方(かた)が難しい(むずかしい)ものもたくさんあった。そして折り紙(おりがみ)専門(せんもん)の本(ほん)も色々(いろいろ)出版(しゅっぱん)された。明治(めいじ)時代(じだい)には、折り紙(おりがみ)は子供(こども)の教育(きょういく)として大事(だいじ)なものになった。

現代(げんだい)、テレビゲームなどがあるので、折り紙(おりがみ)で遊ぶ(あそぶ)子供(こども)は少なく(すくなく)なっている。しかし、「オリガミ」という言葉(ことば)が外国(がいこく)に輸出(ゆしゅつ)され、世界中(せかいじゅう)で折り紙(おりがみ)は有名(ゆうめい)になった。折り紙(おりがみ)が日本(にほん)の文化(ぶんか)の一つ(ひとつ)として大事(だいじ)にされれば、折り紙(おりがみ)はなくならないだろう。